かくして20万光年の旅(21世紀経営)に出たノアのグッズ船、宇宙船リサイクル号は、独自のシステム系進化をくり返しながら大宇宙のアウトオブリミッツ(一般経済外経営)の進路を取り、航行した訳である。ところで今日のコスモウエザーは磁気嵐(吹雪)で、これに備えての船外チェック(商品のテントがけ)も終え、コーヒーを飲みながらシトラウスのワルツを聞いて、つかの間の心の充電を図っているところだ。
― と、突然「おはよう、今日のコンディションはいかがかニャー」という声に私は仰天した。この船には私しか乗っていないはずなのに、それも話をしたのは猫、地球上でペットであった、あの猫なのだ。私は目を白黒させながら、この猫に聞いてみた。いつこの船に乗ったのか、そして、どうして人間の言葉を理解し、話すことが出来るのかと。この様なスタイルになってしまった私にも、まだ人間としてのぬくもりがあるのだろうか。猫は私のひざに乗り、いろいろと話をしてくれた。先ず、この船に乗ったのは、まったくの偶然で、迷ったあげく乗ってしまったこと。そして猫は地球以外でも宇宙の高等動物のペットとして飼われていること、愛苦しいペットでいるためには、話し言葉が解ったとしても決して話しをしないことを猫族で決め合っていたこと、そして何の変化も無い地球では退屈なので、寝ている間に他の世界に行っていることも。―
そうであったのか。猫の世界というものは人知れず宇宙的であったのだ、とつくづく感心した。 | ||