「ゴルゴ53」
 私は年齢53才になる「ゴルゴ53」である。

 私は一切の組織を持たないスナイパーで、現在経営しているリサイクル業も仮の姿であり、私の真の実体を知る人はいない。私が今現在独身でいるのも秘密厳守の為で、できる限り私生活に於いても質素にしてその実体を悟られない様にしている次第である。
そして、万が一の巻き添えに遭うことを考えて、とりわけ人を愛することを止めてからの年月は遠く久しい─。

 しかし、このような中でも心休まる時がある。それは無防備で非攻撃的な、そんなたわいもない一般社会に身を委ねている時で、とりわけ道端に咲く名も無い一輪の花が、どれだけ心の慰めになっているのかわからない。

 さて、話は変わって、一個人から国家まで大小の違いはあるが、独立していることの条件として防衛というものがある。ストーカーそして強盗、テロなど、それらの非合理なものから身を守るために、高度繁栄下の基ではなおさらのこと、防衛は重要な条件の一つとなるのだ。
私もたとえ仮のリサイクル業であったにしても、こういった非合理な犯罪から店舗を守るために、正当防衛下でのレベル5的な攻撃を何時でもできるよう、日頃から用意しているのである。とにかく、非合理なものから身を守り、また被害に遭わないようにするには、日頃からそのきっかけを作らない、そして隙を与えないことを心掛けておかねばならない。
それともう一つ、貴方にとってスナイパーの私を敵に回さない方が尚更のこと有利ではないかと思う次第である。

 かくして私は実体の知れないスナイパー「ゴルゴ53」として今日も素知らぬ顔で人知れぬ闇の世界で活動を続けているのである。

(これはフィクションであり、登場する人物も架空のものである)


※ この写真は、当時私が53才の時に撮影したもので、劇画の1コマを参考にして、自分の顔を鏡で見ながら約40分の時間を掛けてセルフメイクしたものです…。



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