明治天皇興国史
 (帝国實業学社 大正元年印刷発行)

菊の御紋と鳳凰が描かれた二頭立て馬車の明治天皇
昭和29年8月、昭和天皇が北海道に来られた時、某旅館で実際に御使用になられた椅子とテーブル


ここで同年8月、昭和天皇が帯広に立ち寄られた際、父(現在85歳)が撮影した写真を
ご紹介致します。

西2条通り(すずらん通り)を通行中の
御料車

天皇を待ちかねる人々
緑ヶ丘競技場でお出向かいの様子

御奉迎台の昭和天皇

奉迎参加の陸上自衛隊員

緑ヶ丘通りを通行する御料車

帯広駅前から見た メルセデスベンツ
ホテル北海館も見える
旧旧帯広駅に停車する御料車

 

 昭和二十九年八月十七日、午後一時一分、お召列車は帯広駅に到着し、天皇は、前年、都市計画公園として完成していた緑ヶ丘奉迎場(陸上競技場)に向かわれました。佐藤亀太郎市長はじめ、関係者、一般市民など二万三千人が待ち受けるなか、天皇は佐藤市長の先導で奉迎台にお立ちになり、何回も会釈をされました。天皇は緑ヶ丘の奉迎場から、平原学園、畜産大学、公共職業補導所を視察したのち、十勝川温泉の宿に入られました。
 翌十八日、両陛下は宿を出て、十勝大橋から西二条を南進、駅前広場に向かわれ、午後九時三十分帯広駅を出発し、お召列車は富良野に向かわれました。
 この両陛下帯広行幸啓の記録写真撮影を依託されたのが、カメラ同人帯広麓草社の野沢さん、関口さん、中村さんの三名でした。それぞれ撮影場所を分担し、宮内庁から渡されたフィルムを愛用のカメラに装着し、緊張と興奮の内、シャッターをおしつづけました。撮影し終わると、フィルムは直ちに市の関係者を通じて宮内庁に届けることになっていましたが、中村さんは自分で現像と焼き付けを行ったのち、フィルムを提出しました。この度その時の貴重な写真を中村さんからお借りすることができました。
(帯広百年記念館編集発行 『ふるさとの語り部 第14号』 から抜粋)


1935年式 Mercedes Benz Typ770 "Grosser Mercedes"

 当時、ドイツが日本の皇室に納入された御料車。
戦車並みの装甲が施され、サイドドアには菊の御紋が入り、塗装もダークレッドと漆塗りのツートンと、非常に優雅なデザインに仕上げられている。
現在はダイムラー・ベンツ・ミュージアムに里帰りをしている。

(『メルセデス・ベンツ・ヒストリー』 より参照)